【28日目の話】山の中で出会った外国人お遍路さん
28日の朝、柳水庵で身支度をしていると一人の外国人さんがやってきた。
「おはようございます」と挨拶をすると相手も「おはようございます!」と返してくれた。
その後、浄蓮庵で休憩していると後から追い付いてきた。
雨宿りしながら話をした。
彼の名前はジョナサンさん。
昔に日本に住んでいたお陰で日本語は堪能だ。
ジョークを交えながらよく喋る。
彼は30年前にお遍路を経験したらしい。
私が「古いお寺や山の中の景色が好きです」と言うと彼は激しく同意してくれた。
ジ「そうなんです!私は30年ぶりに来て心配だったんです。どこも綺麗になって自動販売機が設置されているんじゃないかと。でも安心しました。山の中は変わっていませんね。」
「八十八ヵ所は堕落しています!金儲けばっかりだよ!宿坊(しゅくぼう:寺内の宿)でお酒売ってるんだよ!?そのお金で坊主はロレックスをつけてる!」
私「わはははははは」
ジ「昔写真を撮りました。寺の小僧が一輪車(乗るやつじゃないよ)で寺中の賽銭を回収して運んでいるんですよ!私は許可をもらって写真を撮りましたけど、小僧はなぜ私が写真を撮っているか分かっていませんね。私はあなたの恥ずかしい姿を撮っているんだ!」
私「わははははははは」
至極真っ当な巡礼者、至極真っ当なお遍路さんです。
ジ「孫は私と一緒にお遍路に行きたいと言ってくれますけど、まだ小さいので無理ですね。奥さんは全然興味なし。一人で行ってきなさいって感じです。」
「奥さんは「山の中で死なないでね」と言いますが、愛しているからではないですね。山の中で死んだら引き取りに行くのが面倒だからです。」
私「わははははははは」
ジョナサンさんは大学の夏休みを利用して来日しており、これから区切り打ちで廻る計画だそうです。
私が最初に彼に引き込まれたのは、自分が野宿で旅をしていると言ったときに「野宿は一番楽しいですね!」と返されたときです。
大抵の人は「大変ですね」と言います。
日本人の会話のクセかもしれませんが、大変なこと、ツラいことへの同情から入る人が多いです。
しかしジョナサンさんは「楽しい」方に同意してくれました。
これがバッチリ私にハマりました。
(そう!楽しいんだよ!この人は分かってくれている!)
ジ「仕事についたり結婚したらそこから30年旅に出ることはできませんでした。やれるときにやるのがいいですね。」
彼とは焼山寺まで一緒でした。
彼は宿に向かうため、私は奥の院へ向かうためそこで別れました。
良き旅を!
お孫さんと廻るときにまた会いたいな!
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